日本子どもの本研究会・金子多美江さんの投稿
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秋田魁新報9月27日
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北羽新報2017年9月5日
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北羽新報2017年9月4日
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魁新報2017年9月3日
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北羽新報2017年8月2日
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北羽新報2017年7月25日
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北羽新報2017年5月13日
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北羽新報2017年4月30日
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6年間のクリスマスカード活動の報告と感謝の言葉 

 参加・協力をいただいた皆様へ               2017年4月吉日

 「被災地の子どもたちへクリスマスカードを届けよう!」プロジェクト

  美しい桜の花びらの舞う暖かい春が巡ってきました。プロジェクト代表、中央大学名誉教授田中拓男です。被災地の子供たちに温かい心のこもったクリスマスカードを送っていただき、誠にありがとうございました。心より御礼を申し上げます。

 今、大震災の年から6年間にわたるカード活動の完了にあたり、この間のプロジェクト活動の内容を総括し、ご協力いただいた皆様に活動成果の報告と感謝の言葉をお届けしています。

  2011年春に小学校に新たに入学してきた被災地の子供たちも大きく成長されて、この3月に無事小学校を卒業することができました。甚大な被害を受けた被災地の復興に向け、大変な時期の6年間だったと思いますが、皆様と一緒に、私たちもこの間、在校中の子供たちに寄り添い温かい励ましの言葉をかけてきました。皆さんの心のこもったカードの作成作業は、このプロジェクト活動の大きな支えであり、長期にわたって困難なカード活動を引っ張っていく力強いエンジンになりました。皆さんの優しい思いやりのあるメッセージは、被災地の人々との心と心をつないで勇気付ける大きな力になったと思います。

 被災地の小学校からも、クラスの集合写真などに添えて、「子供たちがカードを手に非常に喜んでいます」、「家族の者も非常に感謝しています」、「今も忘れられずに励ましのメッセージを送っていただいて、明日への希望に向かって大きな力と勇気をもらいました」、などなど、とても心のこもった礼状を数多く受け取りました。

  6年間のクリスマスカード活動は、国内外の多くの個人・家族や、500にも達する国内外の多様な組織・団体に支えられてきました。6年間で被災地の子供たちに配布したカードは、総数で約13万枚にも達します。6年目の2016年度も、約2万枚のカードを子供たちに届けることができました。カードを配布した小学校の数は、岩手県、宮城県、福島県で累計900校(年々140〜170校)、津波被害の大きかった沿岸部立地の小学校児童ほぼ全員に毎年カードを届けてきました。また、水害被害の大きかった茨城の常総市や、熊本地震の被災地益城町などの小学校にも、限られた数ですが、震災見舞いの励ましのカードを届けました。

 カード展示会は、毎年恒例のように福島市児童館「こむこむ」や、仙台市内の複数会場などで開催され、訪れた多くの被災者の方々に大変喜んでいただきました。皆さんの作成されたクリスマスカードは、被災地小学校児童への配布と並行して、(その一部ですが)これらの展示会場で展示させていただきました。小学生児童個々のメッセージ入りの大きな画用紙の「絵画」10枚余と、千枚を越す美しいクリスマスカードが展示されている会場風景は、非常に色彩の豊かな明るい空間になり、足を止めてカードのメッセージを一枚一枚丁寧に読んでいる人が多く見られました。ここで展示したカードも、後に小学校にお届けしました。

  本年3月には、6年間のカード活動の最終的な総括として、4千人もの多大な震災犠牲者を出した石巻市で、3月4〜11日の8日間にわたって、「七回忌追悼カード展;〜被災地へ、世界から励ましのメッセージ!」を開催しました。3.11の大震災記念日には、ほぼすべての宗派にわたる総本山・大本山のご住職揮毫による力つよいお言葉(漢字)の「額」55枚をぐるりと掲示した厳かな展示会場で、地元の人々とともに1万8千人の震災犠牲者へ追悼の祈りを捧げました。特に大震災で尊い命を落とした多くの子供たちへの哀悼の想いが強く、会場に設置された舞台で同じ年頃の地元の子供たちが追悼の合唱を歌ってくれたのですが、聴いていると再びあの日の悲しみが蘇ってきて、涙する人が多く見られました。

 展示会場では、連日多くの被災者のお話を伺う機会がありました。今もなお沈黙を保ってきた被災者の心の中には、あの時の辛い悲しい後悔の思いが深く沈殿しているのを感じました。「毎日ここに来て、あの時を思い出しては涙を流しています。みなさんからの応援が本当にありがたいです」と話してくれる年配のご婦人もいました。「今まで誰にも言えなかったことだけど、こうして温かい言葉をかけていただくと、ついつい他所の人には心の中のことを話したくなる」と、あれからの辛かったこと、じっと我慢してきたこと、今も心深く悔やんでいることなど、私たちにぽつりぽつり話をしてくれる方々も、かなりの数で見受けられました。

 3.11には、朝早く、震災当時の女川町長が礼服姿で真剣にカードを読まれており、「この辺にはまだまだ心の深い傷が癒えずにプラプラしている人が多い。このように遠い海外などからの温かい励ましの言葉は本当にありがたい」と、カード展示会への感謝の言葉をいただきました。災害の甚大な被災地に立つと、まだまだ災害のことを忘れ去ることなく、被災者に優しく寄り添い、その「沈黙」の言葉に耳を傾けていかなければならないと思いました。

  6年間の活動に関する詳細な資料は、添付したファイルに整理されています。

 「VIPカード」に関しては、ダライ・ラマ法王、ヴァチカン神父、日本基督教教団はじめとして多様な宗教関係者、特にすべての宗派にまたがる総本山・大本山等の35寺院の住職(57枚の色紙)、さらに、海外12カ国駐在の日本国大使・領事、18人の駐日外国大使、その他3ヵ国の駐日大使館関係者、22都府県知事、6市長、51大学学長(理事長)、さらに11社の企業幹部(社長・常務)と44社のCSR関係者などから、温かいご協力が得られました。

 「カード」を送っていただいた学校や非営利団体などは、総数で93団体・組織になります。その中で、5市町の教育委員会、38の高校・小中学校、10の教育関連の機関・団体、7つのボーイスカウト・ガールスカウト(うち2つのアメリカの団体を含む)、10の社会福祉協議会・ボランティアセンター、さらに、20の多様な市民団体などが、大量にカードを作成し、プロジェクトの活動を支えてくれました。巨人軍の広報部からも、3年間続けて監督・レギュラークラスの選手のサイン入り「色紙」11枚をいただきました。どの会場でも子供さんなどが、自分のお気に入りの選手の写真とともに一緒に撮影したりして、大変な人気でした。

 「海外カード」に関しては、世界70カ国にわたる数多くの個人や家族に加えて、20の海外日本人会と、80の日本人学校・日本語補習校等が、毎年東北被災地の子供たちのことを案じ、温かい心で綴られたメッセージカードを送ってくれました。

  私たちの活動は、これで一応第一段階を完了しますが、引き続き熊本を含め被災地の子供たちに何らかの形で励ましのカードを送り続けようと考えています。次回は、福島市児童館「こむこむ」で「頑張ろう、福島!」のカード展示会を開催する予定です。よろしくご協力お願いします。

 2020年には東京オリンピックがあり、世界から多くのお客さんをお迎えすることになります。6年間のクリスマスカード活動で培ってきた、被災地の子供たちに対する温かい思いやりの心は、海外からお客さんを迎えおもてなしをする際にも、日本人のもっとも基本的な心構えになると思います。国境を越えた「おもてなし」の気持ちは、オリンピックを契機にして、海外の人々に日本人のすぐれた優しい心根として迎え入れられ、それを通じてその心の大切さがさらに広く世界に広がっていけば、東京オリンピックの「心のレガシー」になるものと期待しています。その意味でも、東京オリンピックに向けて皆様と一緒に、被災地の子供たちに寄り添い、思いやりの心を大切にしながら、今後もクリスマスカード活動を続けていきたいと思っています。

 震災国日本の社会では、今後とも長くこの度の大震災の貴重な教訓を忘れることなく、これから防災減災活動に有効にかつ具体的に生かしていくことが非常に重要な国民的課題になっています。私たちは、これまでクリスマスカード活動を通じて被災地の人々との間で「心の絆の糸」を築いてきましたが、被災地とのこの「絆」を大切にして被災地域の復興に強い関心といっそうの被災地支援の気持ちを強く持ち続けていきたいです。それが私たちに継続的に要請されている社会的な防災減災活動に有効につながるものと信じています。皆様、今後もカード活動への継続的な参加を心からお願いします。

  終わりになりましたが、今まで寄せられた温かいご支援に心から感謝しながら、皆様のご健勝をお祈りしております。ありがとうございました。感謝!

          プロジェクト代表 中央大学名誉教授   田中 拓男

              スタッフ            田中 絵里子

 


北羽新報2017年4月10日
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北羽新報2017年4月5日
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